クラリセージ

 

甘みと温かみをほのかに含んだスパイシーな香りです。
多様な目的に使えるので、アロマテラピーでは頻繁に使用されます。

 

 

【身体へのはたらき】

植物ホルモンと呼ばれる物質の一種、スクラレオールを含んでおり、

女性を力強く支えてくれます。

植物ホルモンは、人間のホルモンに似た分子構造を持っている植物由来成分で、

スクラレオールは主に女性の卵巣から分泌されるエストロゲンに

似た構造をしています。

エストロゲンは加齢と共に分泌量が少なくなり、

これが更年期の様々な不調の原因となっていますが、

これを補う働きが期待できます。

イランイラン、パチュリ、カルダモンなどと同様に催淫特性もあります。


【心へのはたらき】

心を穏やかにし、緊張やストレス状態を癒して気持ちを楽にしてくれます。

プレッシャーがかかって緊張しているとき、

心配ごとで頭がいっぱいになっているとき、

パニックに陥っているときなどに適している香りです。


【注意すること】

集中力を減退させる恐れがあるので、高濃度の使用には注意してください。


【エピソード】

名前は「清浄な」「明るい」を意味するラテン語の「クラルス」

(※英語の 「Clear」)に由来します。
学名の「sclaria」は、「固さ」を意味するギリシア語の

「スケリア」から来ています。

クラリーセージの花弁の先端が小さく固い点になっていることから、

このような名前がつきました。

人を陶酔させる作用があることが古くから知られており、

ケルト人は宗教的儀式を行うときに飲むお茶を

クラリーセージの葉からつくっていました。

中世ヨーロッパでは、眼のトラブルに用いるハーブとして扱われ、

「クリアー・アイ」(Clear Eye)と呼ばれていました。

 


 

【英名】 Clary Sage
【学名】 Salvia sclaria
【科名】 シソ科
【主産地】 フランス、モロッコ、イタリア、ブルガリア、ロシア、ニュージーランド
【抽出部位】 花と葉
【抽出方法】 水蒸気蒸留法
【成分の一例】 酢酸リナリル、リナロール、スクラレオール
【作用】 抗痙攣、抗うつ、消炎、消毒、鎮痙、催淫、収斂、殺菌、駆風、瘢痕形成、

消臭、消化促進、通経、血圧降下、調整、鎮静、健胃、強壮、子宮強壮

 

 

 

写真撮影:青木繁伸さん